映画「舟を編む」

三浦しをんの同名小説を映画化した「舟を編む」。辞書の編集に携わる人々の話、程度の予備知識しかもたずに観ましたが、これは良かった!(松田龍平が主演です^^)

辞書づくりは気の遠くなるような歳月を要する、地道で、妥協の許されない仕事です。目立ちたがり屋ぞろいのどこぞの業界とはえらい違い。そして、紙の上を走る鉛筆の、心地よく、懐かしい音よ――。

高校の入学祝に、むかし国語教師をしていた祖母が三省堂の「広辞林 第5版」を贈ってくれました。辞書のにおいとページをめくるときのときめきは格別・・・と、宿題か何かで書いた覚えがあります。

十年ほど前、さすがに「パソコン」も「携帯電話」も存在しない頃のものでは具合が悪くなって、岩波書店の「広辞苑」に選手交代しましたが、その後もわが家の書棚に並んでいます。

ふと、今まで目を通したこともない辞書の「まえがき」を読んでみたくなりました。広辞苑は新村出博士の格調高い自序に続いて、新村出記念財団の理事長・寿岳章子氏が熱い思いを綴っておられます。

その一節に、

「辞典というものは、ことばという存在の海に乗り出す、まことに頼りがいのある舟のようなものであろう。日々の私たちの暮しに無数にきらめいている、ことば、ことば、ことば。その眩惑の世界に一定の筋道を与え、辞書を使う人にやすらぎと納得をもたらす存在が辞典であるのではなかろうか。」

(しまった! 装幀が安井曾太郎とは。虫喰いが目立って捨ててしまいました)

映画に出てくる「大渡海」が出版されたら、私は迷わず買いましょう。出ないと思うので、近々いずれかを新調することにしました。

  • facebook