老犬と暮らす その7

 山の奥に迷い込んだ私の前に、犬の絵が描かれた建物が現れる。ペットを預かって、シャンプー&トリミングをする施設らしい。窓からのぞくと、いろんな犬種の子たちがベルトコンベアに乗せられて、巨大な洗濯槽の中に消えていくのが見えた。
 気になって裏口にまわると、ぬいぐるみが並んでいて、私はここが動物のはく製を作る工場であることに気づく。大変!! 元の部屋に戻ると、シュナウザーやトイプーの幼犬たちに続いて見覚えのある犬が流れされようとしていた。背中を丸めたまま横たわる、無表情な老犬が・・・。

 灰色の渦に巻かれて溺れる犬たちを必死に救い出そうとしているところで、目が覚めた。

 行きつけのペットショップでしてもらうシャンプーが大好きだったくるみ。高齢を理由に引き受けてもらえなくなってからは、私が洗っています。体の負担を考えて“部分洗い”ですが、なりゆきで丸洗いしてしまってから5カ月が過ぎていました。

 へんな夢をみたのは、もう1回きれいにしてやりたいと思っていたからでしょう。そこで、暖かくなった週末の午後「家シャン」を決行。むかしは嫌がって浴室の壁を登らんばかりに逃げ回っていた犬が、無抵抗に盥(たらい)に収まっています。

 古いセーターでも洗っているような感じが、切なくて――。

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