文化芸術センター・庭園への期待と諸々

 「宝塚につくるならアートセンターがいいでしょう」。中川市長が金沢21世紀美術館を引き合いに出されるたびに違和感を覚えていた私に、そう助言してくださったのは菅谷氏でした。収蔵品や施設の問題以前に、研究・普及・教育をもミッションとする美術館(博物館)をつくる覚悟がうちにあるわけないし、アートが身近に楽しめる場づくり・にぎわいづくりが目的ならソレだ! 以来、私はその路線押しです。

 一方で、不安も払拭しきれていません。後発のアートセンターとしてenocoや京都芸術センター、神戸アートビレッジセンターに続けるのか。アートに対する住民のポテンシャルが高いといえない中、事業を成功・発展させるだけのビジョンや政策が市にあるかといえば・・・かなりあやしい。

 第2部の交流会で、菅谷氏と加藤氏、統括責任者の高氏、ステンドグラス作家の村岡靖泰氏をはじめアーティストのみなさんとお話しするうちに、あの場所を市内外から人に来てもらえる上質の空間として残せてよかった、これもモトナガあってこそ・・・と思えてきました。

 市在住の作家たちが、活動の拠点施設がないならまちに繰り出そうと「宝塚現代美術てん(展)てん(店)」を始めたのが2012年。元永氏のお連れ合いでイラストレーターの中辻悦子氏もメンバーで、菅谷氏をはじめ、城崎国際アートセンターの田口幹也氏、美術評論家の坂上義太郎氏、彫刻家で元宝塚大学学長の小清水漸氏らと人脈をつないできたのもこの人たちです。

 

 また、「くれない忌」に元永氏と旧知の安藤忠雄、谷川俊太郎、山下洋輔といったビッグネームをはじめ、海外からもゲストが来宝。ここでアートが語られてきたことを考えると、文化芸術センターを、一部で揶揄される“大型公民館”や“児童館”にするわけにはいきません。クオリティーの高いものを発信し続け、非日常が楽しめる素敵な場所になるよう期待しています。

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