「生誕150年 上村松園」展を観て

大阪中之島美術館で開催中の「生誕150年記念 上村松園」を観てきました。本展のテーマは、松園が生涯をかけて追求した「理想の女性像」を探ること。「人生を描く」「季節を描く」「古典を描く」「暮らしを描く」の4章構成で、松園が描いた女性像の特徴や、時代とともに変化する表現が紹介されていました。色彩も構図も、息をのむ美しさです。

美人画について、男性画家の多くが女性の若さや艶やかさを描こうとするのに対し、松園は女性の生き方に敬意を払い、温かな愛情と共鳴する眼差しを注いだといわれています。

単なる美貌でなく、内面の気品や人生の機微に迫る表現に、同性として深く共感。女性像そのものに貫かれた独自の美意識は、あの時代に画業に専念するためシングルマザーとして生きる道を選んだ自身の覚悟と切り離せない気がします。

重要文化財《母子》《序の舞》などの代表作は、ただただ圧巻でした。

松園を知ったのは、新聞に連載されていた宮尾登美子の小説『序の舞』でした。大学生だった私は、師との複雑な関係を含め、男性中心の画壇で女性が認められるまでの困難を知り、おそらくどの業界も、そして今もこの構造は変わっていないのだろうと悟らされたものです。

それから40年が経ち、ようやく出会えた松園の作品が100点以上。総覧できて感無量でした。

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