待機児0作戦は誰のため?-その1

宝塚市は平成10年“日本一保育所に入りにくいまち”の不名誉に輝いた?ことがありました。たしか当時800人強の待機があったと記憶しています。

その後、定員120~150人の大型保育所3園が相次いで新設され(これは快挙!)計21園に、昨年から一定の水準を満たす無認可保育所を「指定保育所」として助成する制度もスタート。大幅な待機解消に取り組んできました。

だとしても、です。今年4月現在の待機児童数が22名と聞いて、私は直感的に「ありえない」と感じたのです。

調べてみると「待機児童」の定義そのものが変わったらしい。国が補助をおこなう優先順位をつけるのに必要だということで、昨年10月に統一基準ができ、市はそれに従ったまで、との説明でした。

では、どこが変わったのか。わたしは先日の一般質問で訪ねました。答弁から見えてきたことは、

①A園に入所希望者がいて、B園の同じ年齢のクラスに欠員が生じていた場合は±0とする

②緊急用の枠を含めた数を「定員」化している

③いったん指定保育所に入所した人は「待機」とみなさない

④これから子どもを預けて働きたいという人は含まない

「待機は22名。欠員が生じているほどだ」と聞けば、まるで明日からでも子どもを預かってもらえそうな感じです。事実、広報をみてそう思った人もいます。でも、年末から2月にかけてすべての保育所前に立ち、お迎えの保護者と話してきた私にはとてもそうは思えない。何年も待たされ苦労したと嘆く人、きょうだいを別々の園に預けている人、ずいぶん遠くから自転車で送り迎えしている人は、少なくありません。

乳幼児を連れて通うとなれば最寄りの園か、マイカー通勤者でもせいぜい3つまで。それを第一、第二希望にこだわる人は待機とみなしません、というのが基準①で、そんな殺生なァ…という気がします。

国との関係では“新しい基準”でカウントすればよし。でも、担当課は宝塚市における実際の保育ニーズを把握し(している→議員にもちゃんと知らせるべし!)、それにもとづいて施策を行ってくれないと困るのです。

「待機児ゼロ作戦」はだれのための政策なのでしょうか? 当然のことながら、机上の数字の操作によってではなく、保育を必要とする家庭に保育所またはこれに代わる適切な居場所を提供することでしか、目的は達成されないのです。働きながら子どもを育てるのに、よほどの事情か覚悟がいるようではまだまだ十分な施策とはいえません。

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