待機児0作戦は誰のため?-その3

③保育施設に入所している人は「待機」と数えない。

国の待機児算定基準がこのように変わったことから、市が「指定保育所」の位置付けを変えようとしている点は気がかりです。

指定保育所(一定の基準を満たす無認可保育所を市が助成している)は認可保育所の欠員待ちで利用されるケースがほとんど。それを「待機でない」とみなすことで、瞬時に100人以上の“待機解消”ができてしまうわけです。

さらに、先日の文教厚生委員会で出た質問に、当局が「指定保育所は駅前の便利な所にあり、延長保育や家庭的な雰囲気、英語やダンスなど独自のサービスが好評。多様化する保護者のニーズに応えるためにつくった制度」と答弁したものですから、私は黙っていられなくなりました(この委員会では傍聴人なのですが、つい・・・)。

「本当に、多様化する保護者のニーズに応えるためにつくったんですか?」

認可保育所は幼稚園をイメージしてもらえば近いでしょうか。指定保育所は駅近くのビルなどで営業しているところ(2歳未満)と、園庭のあるところ(就学までOK)の2タイプで現在6ヵ所。小さくても信念をもってよい保育を行っているところもあるので、認可保に比べてどうの、とは一概にいえません。

当局がいうように「選べる」状況(どちらにも枠が十分あることが大前提)なら、問題ないのです。

同じ年齢の子どもたちと、園庭で元気に走り回り、畑や花壇で季節を感じ、夏にはプール遊びも楽しんで・・・それがこの時期の子どもにふさわしい毎日であることに異論はないでしょう。赤ん坊のときから就学まできょうだいのように育つ友だちや、子育てのパートナーとしてわが子の成長を見守って(時には厳しいお叱りも)くれる保育士との関係も認可保育所の大きな魅力です。当局は家庭で子育てをする人との公平性を口にしますが、逆に、子どもの育ちに必要な機能を失った地域社会をなんとかしようよと言いたい。

親は自分にとっての「便利さ」よりも、わが子のために「育ちの場としての豊かさ」を望んでいるという事実をしっかり受け止めるべきで、そもそも児童福祉課は“子どもの最善の利益”を考えるべき部署でしょうと、私は予算委員会の総括でも述べました。

公的助成によって質のよい指定保育所がふえ、結果的に宝塚市の保育水準が向上するのはよいことです。たしかに今の財政状況では認可保育所の新設(3億円)はきびしいし、指定保育所が増えることでとりあえず助かる人もいます。ただ、ニーズの履き違えやごまかしは許されへんで、と言いたかったのです。

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