「一律の勤勉手当、定昇」10億円返還訴訟について

地方公務員法で義務づけられている勤務評定を行わず、勤勉手当を一律に支給し、職員が定期昇給を果たしているのは違法などとして、宝塚市の多田浩一郎市議(市民・連合クラブ)は9日、阪上善秀市長が市職員に対し計約10億5600万円の返還を請求するよう求める訴えを神戸地裁に起こした。

訴状では、昨年度、市職員1644人に対し支払われた勤勉手当約9億7000万円と、市職員1479人に支払われた昇給差額分約8600万円について返還するよう求めている。(毎日新聞)

朝からこの話題でもちきりでした。多田議員の思いそのものは理解できるのです。民間出のわたしも役所の感覚や慣行にはしばしば疑問を感じてきましたから。

職員の勤務評定については3月の総務常任委員会でも質疑がありました。地公法第40条にいう「勤務成績の評定」がどの程度のものなのか(能力や実績といった“高度な”評価を要求しているのか、出退勤の状況といったレベルの客観的評価で足るのか)、条文からはわかりませんが、わたしには勤務評定をしていないことが直ちに「違法」で、これに基づかない勤勉手当や昇給が「公金の不当な支出」とまではちょっと思えません。その解釈が雇用者たる自治体の裁量に委ねられているとしたら、「不適切」「不十分」な運用であったとしても「違法」とまではいえない気がします。

また、なんの落ち度もなく、勤勉手当の支給基準(これが存在する時点で、多田議員の「宝塚市職員は毎年全員が一律に勤勉手当の支給を受け、毎年全員が定期昇給を果たしていた」との主張は違ってきます)をクリアしている職員に、「不当利得だから返せ」と迫ることは現実には難しいでしょう。

訴訟の目的は、世間に実態を公表することによって、当局も必要を認識していた勤務評定の見直しに拍車をかけることかもしれません。さらに“この時期”でもあり・・・・・・限りなくパフォーマンス性の高い住民訴訟といえそうです。

それにしても。ここまでするなら彼はなぜ予算・決算認定で一度も反対しなかったのか――ナゾですよね。

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