かたつむりと組織罰

24日のNHK「クローズアップ現代」のテーマは「“企業の罪”は問えるのか~JR福知山線脱線事故8年」。

旧カーブへの変更時の安全担当責任者で、事故防止策を怠っていたとして業務上過失致死罪で起訴された前社長に対し、昨年1月に地裁が言い渡した判決は「無罪」。強制起訴された歴代社長3人の裁判においても、個人の責任しか問うことのできない日本の法制度の限界が見え始めています。

一方で、イギリスは2007年に「組織罰」を導入。企業を1つの人格とみなし、企業上層部全体の過失を罪に問えるようにした結果、安全対策に取り組む企業が増え、事故が3割減少したそうです。

別の記事によると、欧米では重大な組織事故や事件が起きた場合に再発防止のため組織を罰する流れがあって、フランスの刑法では企業解散や業務停止などを定め、アメリカでは民事訴訟で懲罰的損害賠償を起こすしくみが存在するとのことでした。

ふと思い出した話があります。連れ合いの勤めていた硝子メーカーは2006年に英国P社と合併しました。数年前にアメリカの工場でフォークリフトによる死亡事故が発生した時、直ちに本社から届いた指令が

「フォークリフトはカタツムリの速度で運行すること」

生産性を重んじる日本では考えられない指示で、スタッフは(仕事にならないじゃないか!)とおおいに困惑したとか。「安全に対する彼らの意識は我々と全然違うんだ」と連れ合いは話していました.

わが国が組織罰の考え方を取り入れるのはいつ頃なのか、企業や社会の価値観はどこまで変わるのでしょうか。

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