戦後70年に考える「アドルフに告ぐ展」

第二次世界大戦前後のドイツと日本を舞台に、ヒトラーに関する機密文書をめぐる3人のアドルフ達を描いた手塚治虫の長編漫画「アドルフに告ぐ」。

手塚治虫記念館で開催中の特設展を見てきました。

「ぼくは戦争の語り部になりたい」――。

手塚治虫にとって、戦争は歴史ではなく現実であったことが作品全体から伝わってきます。ヒトラー以外の2人のアドルフたちが自身と同じ1928年生まれという設定。神戸のまちの情景や人々の複雑な心理など、そこに身を置いたことのある者でなければ描けないリアリティに引き込まれ、私は夢中でコマを追っていました。

ホロコーストも戦争も、私にとっては教科書で学んだ近代史の数ページでしかありませんでした。それが自分の生まれるわずか15年、20年前の出来事で、この先も起こり得ることだと強く意識するようになったのは、恥ずかしながらかなり後になってからです。

終戦から70年。「アドルフに告ぐ」は舞台でも好評上演中と聞きますが、これらはただの周年ブームでなく、戦中派からの警告と感じられてなりません。

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