
最初のスピーカーは、雲雀丘100年浪漫委員会のメンバーで、元宝塚市長の正司泰一郎氏。雲雀丘・花屋敷地区における住宅開発の歴史と先駆性について講演、「緑の中に赤い屋根。自然はできるだけ残すというパターンの生きる造成地そのものが文化遺産。15件の景観形成建築物もある。価値をもっと発信すべき」とアピールされました。
また、市長時代に「一流の市」をめざして観光プロムナードの整備に取り組んだ話もされ、「今はまちづくりへの情熱を失ったのでは」と現市政をちくりと批判。
京都工芸繊維大の笠原一人助教は、宝塚ホテルについて「多彩な様式を取り入れた自由なデザインが特徴」と解説。時代の特徴が表れたモダンで華やかな建物で、地元の建築家が手がけた貴重な文化的資産であること、これが失われたら宝塚の街を象徴する戦前の建物がなくなってしまうことから、「改修・耐震化し、地域施設として活用を」と訴えました。
「御堂筋にヴォーリズ建築があることでどれだけ格調高い街になっているか」 自ら取り組んだ大丸心斎橋店本館の保存運動の意義について熱弁をふるわれたのは、作家の玉岡かおる氏。宝塚ホテル保存の声が挙がったことを評価し、市民にエールを贈ります。
“敗戦”の教訓から「署名やラブレターでは企業を動かせない。建物を守りたいならお金が必要。ネットで出資を募る方法もある」と助言も。
最後に、園田学園女子大の田辺眞人名誉教授が神戸市の文化財条例の掲げる「地域遺産」という考え方を紹介、「宝塚ホテルの文化財としての価値を示すには、ハード面だけでなく、誰が宿泊したとか、どんな歴史的会合が開かれたなどといったソフト面の価値も探るべきだ」とまとめられました。
客観的な価値と法的ブレーキ。まずお金が集まること――現実の、大きな課題です。























